相続の対象となる遺産には、プラスの財産とマイナスの財産があります。
当然、相続人にとって益となるプラスの財産だけを受け継ぐのが理想です。
もっとも、プラスの財産と言っても、家や土地など、簡単には分けられないものもありますので、簡単にはいかないのが現状です。
家や土地を売ってお金に換えられれば均等に分割するということも可能ですが、実際には今後も住む家・土地であったり、仮に住まなかったとしても、親が住んでいた家をすぐに処分して・・・というのは心情的にも難しいということもあります。
一方マイナスの財産とは、借金や未納分の税金などのことを指し、それも相続した場合には当然支払いの義務が相続人に回って来ます。
しかしここでも想定しない事態が起こり得る可能性があります。
亡くなった方(被相続人)が誰かの借金の連帯保証人だった場合、保証人の責任も相続されることを忘れてはなりません。
マイナスの財産には、金額が目に見える(明細が残っている)借金だけではなく、目に見えない「保証」も含まれ、相続の対象になるのです。
「亡くなったお父さんの代わりに払ってもらいましょうか!」と、あの世にお送りして落ち着いた頃に突然見ず知らずの人が訪ねて来るというのは、決して珍しい話ではありません。
生前には話しにくいことかも知れませんが、しかし死後のトラブルを避けるためにも、親子・夫婦・兄弟姉妹できちんと話し合っておきたいものです。