相続税法の改正について議論がされています。
現在のところ、相続税が掛かるケースは極めて少ないのが現状です。
相続税の計算には複雑なものがありますが、簡単にその仕組みを見てみます。
まず、相続の対象となる遺産について、亡くなった人(被相続人)が所有していた財産を全てリストアップします。
ここには今後もらうことになる生命保険金なども含まれ、金銭で見積もれるものは全てが対象となります。
また、亡くなる前3年間に贈与した財産もこれに加えますが、ここでは割愛します。
以上の全ての正の財産から、墓や仏壇などの非課税分、それから未払いの税金や借入金(利息を含む)などの負の財産を引いたものが相続税課税対象となります。
次にこの課税対象分から、各種控除を差し引きます。
全ての人が対象となる基礎控除、これは、5千万円に相続人1人当たり1千万円を加算したものになります。
他に配偶者控除、未成年者が相続人となった場合の未成年者控除、障害者が相続人となった場合の障害者控除などがあります。
各種控除を引いたものがプラスになれば、初めて課税が発生します。
しかし、基礎控除は最低5千万円、配偶者控除は法定相続分か1億6千万円までを算入しますので、余程の財産がない限りは、控除額を上回ることは無いと言えるのです。
その結果として毎年4パーセントの件数が相続税を納めるに過ぎない状況になっていますが、改正相続税法では、控除額の縮小、一部課税分の引き上げなどが実施される見込みで、相続税が掛かるケースが増えることが予想されています。