遺言書の無効はどうやって争えますか？

１　遺言の無効確認訴訟

相続人が遺言書の効力について争う場合には，裁判所に対して遺言の無効確認訴訟を提起する必要があります。

遺産分割調停でも遺言書の効力を争う例がよく見られますが，この点についての争いが残ったままですと，裁判所は審判に移行することには応じませんので，遺言書の効力を争うのであれば，別途，裁判所に訴訟提起する必要があります。

遺言書の作成には厳格な要式性が求められおり，この方式にしたがっていないことを理由として，遺言書の効力を争う場合があります。

また，本人によって遺言書が書かれたものではないことを理由として，遺言書の効力を争う場合もあります。

この場合には，遺言書の内容が不自然なものとなっていないか，遺言書に書かれた筆跡が本人のものと一致するかどうかなどが問題になります。

もっとも争われることが多いのが，遺言者に遺言能力があったかどうかです。

特に，遺言者が認知症にり患しており，遺言をする意思能力がなかったとして争われることが多いです。

この場合には，医師の診断書や治療記録などを証拠として提出され，遺言者が遺言書を作成した時点での認知症の進行度合いなどが考慮されます。

また，遺言の内容が簡単なものであれば，遺言者の意思能力が低くても判断できたと考えられることから，この視点から遺言の内容も検討されます。

また，遺言書の内容が本人の真意に沿うものといえるかどうかという視点から，生前の遺言者や相続人や受遺者にまつわる状況から，内容が不自然となっていないかについても考慮されることになります。

弁護士法人心では，相続に関する事件を多数扱っており，岐阜駅に近い事務所でも対応しております。

岐阜やその周辺地域の方で，遺言書の効力についてお困りの方がいらっしゃいましたら，ご相談いただきたいと思います。